陽介が
私を、じっと見つめてるのがわかる…
でも、
敢えて、
私はそちらを向こうとはしなかった
しばらくの間、
沈黙が続いた…
「麻紀…」
先に、口を開いたのは、
困った顔をした陽介…
「麻紀…
俺だって、一緒にいたいよ…
だけど…
今は…ムリなんだ…
わかって…ほしいんだ…」
苦悩してる顔の陽介…
そんな顔、見たくナイ…
だけど…
「陽介にとって、
私って何なのっ?!
会いたい時に会えない…
電話もメールもできない…
陽介に抱いて欲しいって思っても
抱いてもらえない…
そんなの、恋人でも何でもないじゃない!
私がいなくても
陽介は、平気だから、そんなコト言えるのよっ!」
今まで
我慢していた思いが
堰を切ったように
言葉になって溢れだす
それも、
とても、イケナイ形になって
どんどん、流れて…
こんなコト、言うつもりなかったのに…
涙を必死に堪えて陽介を見ようとするけど、
ぼやけて、
陽介の顔が見えない…
「ゴメン…麻紀…」
そうなんだ…
もう…
私…
陽介にとって、必要ないんだね…
陽介が握る手を振りほどいて、
呟いた陽介の横を通り過ぎ、
私は、この部屋を後にした…