その日の夜、
陽介からの電話を待っていたけど、
かかってこなかった…
今まで、
約束を破ったコトなんて、ないのに…
渦巻く不安を消したくて
薬指に嵌めたリングを見つめた…
――― 翌日、
大学の授業が終わって、
映研の部室に向かう
扉を開けて、
中に入れば、何だか人が多い…
ん?
こんなに人数いたっけかな…?
「おぉー、一ノ瀬ぇ おせーぞっ!」
相変わらず、窓際に腰掛け、
タバコをふかしながら
こちらを見る東野先輩
「先輩っ、ここでタバコ吸わないでって
何度言ったらわかるんですかっ?!」
ツカツカと窓際に向かって行き、
先輩の口元からタバコを取り上げ、
灰皿に押し付けた
「おぉ怖ぇ~、お前みたいな彼女持った彼氏は、大変だなァ~」
東野先輩の言葉に、
その場に居た皆が笑う
もぉ、失礼しちゃうな~
反論すると、また、何か言われそうなので、
唇を尖らせながら、
席についた
気がつかなかったけど、
坂口くんも、
ちゃかり、入部してて
私が座ったテーブルの横に座っていた…
私の顔を見るとニッコリと笑顔を向けてきた
思わず、
視線を逸らした…