「先輩…
ってか、俺も、麻紀って呼んじゃダメ?」


「え?、そ、それは…イイけど…
あ、でも大学じゃ、イヤ…かな…」


「じゃ、大学以外では、いいんだねっ」


って、そーゆー、コトじゃなくって…


そう!

キスよ、キスっ!!


「あの、坂口くん…
な、なんで?…」


不思議そうに首を傾げた坂口くんが、
私を見下ろす
しかも、まだ、腕を解いてくれない…


「あの…、なんで、キス…したの?」


見上げる私に、ニコリと笑う坂口くん



「なんでって…

俺、麻紀のこと、好きだから…

正直、言うけど…

俺、陽介より先に、麻紀のコト好きになったんだぜ…

俺が、麻紀を先に見つけたのに…


麻紀に、こんな淋しい想いさせるなら、

俺が、麻紀をもらう

俺、麻紀に、淋しい想いさせないから…」


坂口くん……


再び、坂口くんの腕の中にすっぽり
包まれて、
私は、身動きできなかった


坂口くんの気持ちは、嬉しいけど…


私…

どうしたら…いいの…?