ホワイトデー前日、


土曜日ということもあって、


朝から、お客さんがひっきりなしに来店していたが、


夕方、4時を回って、お客さんの入りが途切れた。


「陽介ー、コーヒー、おかわりちょーだーい」


カフェの奥の方の席で、ケーキセットを堪能しながら、


ホールのテーブルの片付けに忙しく動き回る陽介に声をかけた人物。


私が、陽介の彼女?と思い違いをした


”逸見一馬” ニューハーフで、陽介の中学の同級生。


今は、『優華』。


ちょくちょく、お店に来て、陽介や、他のバイトの子とお喋りして帰っていく。


「いつみ、俺は忙しいんだ、勝手にやってくれ」


投げ捨てるように、答える陽介に、フンッと鼻をならし、


厨房のカウンターへ近づいてきて、


「麻紀ー、おかわりちょーだーい」


ケーキを乗せたお皿にトッピングをしていた私にコーヒーカップを差し出す。


「ちょっと待ってて」


カップを受け取り、コーヒーメーカーからコーヒーを淹れてあげる。


「ありがと、麻紀」


ニッコリ微笑んで、元の席へ戻る。


彼女のことは、キライじゃない・・・


キライじゃないけど・・・・


ほら、今も、陽介の肩や、腕にさりげなぁく、触るでしょ・・・・


わかってるのよ、彼女は陽介の”親友”だって・・・・


でも、


私より、美人で、スレンダーで、胸もあって(確実Fカップ!!)


しぐさも女より女らしい・・・・


妬けないワケ・・・ないじゃない・・・・