「先輩、もう、大丈夫?」

10分くらい
経ったのかな…

今まで溜まってたぶん、
涙を流したら、
少しは、気が晴れた


「ありがとう…坂口くん…」

ハンカチで目元を抑えながら、
坂口くんの腕から離れようとした

けれど、

すっぽりと、私は彼の腕の中に納まったまま…


え?

「坂…口…くん…?」


「先輩…」


私が、坂口くんを見上げてると、

目の前に、坂口くんの顔が近付いた…

って、思った瞬間、

私の唇に、坂口くんの唇が重なった…


えーっ?!

うそっ?!なんでっ?!


私は、驚きのあまり、目をあけたまま…

坂口くんは、瞳を閉じてる


うわ、キレイな顔…

睫毛も長いし…

男の子なのに、肌、キレイ…


って、そんなコト思ってる場合じゃ…

すると、

ゆっくりと、坂口くんの顔が遠ざかる