私の視界には、 坂口くんの着ているシャツがあった ふわっ、と 私の背中にまわされた腕… 坂口くんの胸元から漂う、爽やかな香り… 「先輩、ムリしないでよ 胸、貸すから、思い切り泣きなよ… 恥ずかしかったら、 俺が、ちゃんと、この腕で隠しててあげるからさ…」 やだ… なんで、こんな時に、 そんな、優しい言葉かけるの…? よけいに涙が出てくる… 少しだけ、 坂口くん あなたの胸…借りるね…