「あぁ、先輩、
言ってなかったですね…」

一息ついて
私の側に来て言った


「俺と陽介…
同級生で、
俺、生徒会で会計やってたんだ…

先輩…
全然、思い出してくれないから
まいったよ…」

頭を掻きながら
私の顔をじっと見る


陽介と同級生って…

うそ…


て、ことは…

私と一緒の高校…


でも…

こんな陽介並みにカッコいい子…いた…?


「はははっ?

わかんないのも無理ないっかっ…

俺、ぽっちゃりくんだったからさ…」


え?


記憶を辿って行くと…

だんだんと思いだしてきた…

陽介と同じ生徒会に…

いた…?

あ、いたかも…

そう…ちょっと…ぽっちゃりしてて…

すごい愛想よくって…

私は、話したことなかったけど…


いた!いたよ!


私は、坂口くんの顔を見ながら
思いだした


「ははっ、先輩、
鳩が豆鉄砲くらったような顔ですよっ
思い出してくれましたかっ?」


「あ、う、うん…
ご、ゴメンねっ
私…全然、気がつかなくて…」


ホントにビックリしたのと申し訳ないのと
複雑で、

坂口くんに向かって、
苦笑いするしかなかった…