「え? うそっ… 陽介…なん…で…?」


約1か月ぶりの陽介の姿は、

大人びて、

私より年上に見える…


スーツ姿だったから、よけいに、そう感じたのかも…


「麻紀っ…」


私を見た陽介は、一瞬驚いた顔をしたけれど、
すぐに、口元を緩め、私の方に近づいた


だけど…


「陽介っ…」


陽介の後ろから、
スラリとした体形の
ストレートヘアの美女が
陽介の腕に手を絡ませた


なんだ…


そうゆうコトなんだ…


だから、


私に会えないし、電話もかけてこないんだ…


私はいつの間にか

近づく陽介の横を通りすぎ、

出入り口のドアに向かって走り出した


外へ出て、

大通りまで、一気に走った




そうだよね…

陽介、

跡取りの勉強もしてるし、

いずれ、

庶民の私なんて

ウザくなるだけ…だよ…ね


トボトボと大通りを歩きだすと


グイッと後ろから
腕を掴まれた…


「麻紀っ!!」