「おー、麻紀、お帰り
紹介するよ
坂口湊人くん
彼、今日からバイトに入るから、
いろいろ教えてやってくれよー
麻紀と同じ大学なんだってなー
頼んだぞぉ、麻紀ー」
お父さんが
私の背中をバンバンと叩く
もぉ
痛いってばぁ
「お父さん、バイト、募集してたのっ?」
「あぁ、この間、陽介くんから、
当分、バイト、入れそうにないからって電話あったんだ、
陽介くんが抜けたら、ちょっと困るんでなぁ」
そうなんだ…
陽介…
忙しいんだ…
淋しいな…
「先輩、よろしくお願いします
いろいろ教えて下さいっ」
私に、またも、笑顔を向けた
「う、うん、よろしくね」
やだ、
坂口くんを見たら
さっきの場面が頭をよぎる
あー、もう、
やだぁ、私…
ヘンになっちゃてるぅ