「先輩のコトなら、なんでも知ってますよ…」


耳元で、囁く坂口くんの声が響いたと思ったら、


頬に、柔らかい感触が…


え、え、えっーー?!


驚いた私を


相変わらず、

ニコリと爽やか過ぎるほどの笑顔を
私に向けてる坂口くん


「さ、さ、坂口くんっ!
な、な、なんでっ?!」


「だから、言ってるでしょ?
俺は、先輩のコトなら、何でも知ってるって!

経営学部経営学科2年 一ノ瀬麻紀

家は、両親が経営する

スイーツショップ『ラ・プラージュ』

ちなみに、弟一人、

どう?
あってますよね?」


「……」


「そうそう、
スイーツショップの娘なのに、
悲しいかな…

スイーツが嫌い…

珍しいよね?
女の子なのに…」


私は、

開いた口が塞がらなかった…

なんで、

なんで、入学したばかりの

坂口くんが

私のコト…

知ってるのーーーっ?!