驚いた顔の私を
小百合が見て


「ねーっ、ビックリでしょっ!!

しかも、陽介くんが、
あの円山製菓の跡取りだったなんてねぇー!
またまたビックリよ!

麻紀、もう玉の輿確実だね!」


雑誌の陽介を見ながら
小百合が私に話をし続ける


「…麻紀? 大丈夫?」

私は、
あまりの突然のことに、
小百合の手元をじっと見たまま…


「う、うん…」


その雑誌の中ほどには、
陽介とあと2人紹介されていて、

それぞれ2ページものスペースを使って
取り上げられている


陽介…


遠い存在に、なっちゃったんだね…


学校と、跡取りの勉強と、雑誌の取材と…

頑張りすぎだよ…

身体壊したらどうするの…?

陽介…

雑誌の中で、こちらに向かって笑顔を向ける陽介に
私の胸が痛くなった。