「いや、参ったよ、女って集団になると、怖ぇー」
聞けば、一通り終えて、
生徒会の後輩たちに別れを言いに行こうと
教室を出た途端、
廊下で待ってた女生徒の集団に掴まって、
写メ撮られたり、プレゼント渡されたり、
凄かったのが、ボタン・・・
あっという間に引きちぎられて、全て女生徒の誰かに持っていかれたそう。
「ふふふっ、陽介の慌てたトコ見たかったな、
でも、しょうがないよ、陽介、モテるんだから。
みんな陽介がいなくなるの、淋しいんだよきっと」
髪も、乱れてたので、手を伸ばして整えてあげた。
「俺は、何人にモテたって、プレゼントもらったって、嬉しくないよ。
俺は、たった一人が俺を見ててくれなきゃ、意味ないし?」
伸ばした手を掴まれ、もう一方の手で、腰を引き寄せられた。
「ちょ、よ、陽介っ!」
大学内は、すでに今年度の講義が終了した科もあるので、
学生は、いつもより人はまばらなんだけど、
どこで誰が見てるかわからない。
でも、逃げようとすると、よけいに腰を引き寄せられる。