【麻紀side】
「麻紀、行くぞっ」
私の手を引き、部屋をでる
階段を降りながら、
少し躊躇した
「陽介、
これから出掛けること
お父さんたちに伝えてくる」
陽介の足が止まり、
「俺も行こうか?」
「ううん、大丈夫、
陽介、外で待っててくれる?」
「大丈夫か?」
コクりと頷き、
私はリビングに向かった。
リビングに行くと
お父さんの姿はなく
キッチンにお母さんだけがいた。
「お母さん、ちょっといい?」
キッチンのカウンター越しにお母さんを呼ぶ
「はいはい、なあに?」
エプロンのポケットに掛けたタオルで手を拭き、
キッチンを出て
ダイニングテーブルの椅子に座る