「・・・っぁはぁ・・・」


角度を変えようと少し唇を離した隙間から、聞こえた麻紀の甘い声。


やべぇっ・・・ そんな声出すなよ、我慢できなくなるだろ?


目を閉じて、俺のキスに酔いしれる顔。


他のヤツになんか、ぜってぇ見せんなよ


「麻紀?」


「・・・ふぇっ?・・・」


「ぷっ、ははははっ」


俺のキスに酔いしれた麻紀が、ヘンな声で返事をしたから、


大笑いしてしまった。


「んっもうっ! やだっ! 陽介のバカっ!!」


ポコポコと俺の胸元を叩く、手を掴み、


掌に小さな箱を乗せた。


「え?」


クエスチョンマークが頭の中で飛び交ってるのが丸わかりだぞ。


「開けてみていい?」


丁寧に赤いリボンを解きピンクの包みを開け、出てきた箱を開けた。


「え?コレ・・・」


そう、俺は知っていた。


逸見(今は、優華か)が、いつもいろんな指輪を嵌めていて、


それを見た麻紀がすごく羨ましそうに優華の手を取って見ていたのを。


「どうして、私が欲しがってたの知ってるの?」


「そんなの、麻紀見てりゃ、わかるよ、お前解りやすいからな」


えー、と口を尖らせながらも箱の中の指輪をじっと見つめる。


その顔が、またカワイイ・・・・


「つけてもいい?」


「あぁ」


そっと、箱から取り出し、左の薬指にはめた。


左手を上にかざし、じっとその指輪を見つめている。


「キレイ・・・・」