お店の前、
私も陽介も、
離れられず、
手を繋ぎ
お互いの瞳をじっと見つめていた


「陽介、
いいの? 
円山家、出るってコトでしょ?

せっかく、おっきな未来が待ってるのに…」


陽介は、
私の 頬に触れ、言った


「麻紀…
俺は、そんな大きな未来はいらないってコトに
気付いたんだ…

俺の一番やりたいこと…

それを叶えるには、

麻紀、お前が傍にいてくれなきゃ、
意味がないんだ…

麻紀…
俺には、お前が必要なんだ…」

頬にある手が、
頭上に触れ、髪を優しく
ひと撫でした


「陽介…

陽介、ゴメンね…

私、自分のコトしか考えてなくて…

陽介がこんなにも悩んでるなんて…

ワガママ言ってごめんね…」


俯いたら、涙が零れた


「麻紀…」


私を引き寄せて
フワリと陽介の腕が
私を包んでくれた…


やっぱり、
この胸の中がイチバンいい…