「ううっ、さぶー。」 室内から出た瞬間、冷気があたしをつつむ。 この前会いに来てくれた時は、手握ってくれたっけ……。 ふいに思い出す優輝の大きな背中。 めったに上がることのない薄い唇があたしに向けられる。