「てめぇ!ホモだな!」
橘が、青ざめた顔で叫んだ。
桃井はその発言に、一瞬眉をひそめたが、すぐにポーカーフェイスに切り替わった。
相変わらず、僕の前髪で遊んでいるのは変わらないけど。
「新一…世間じゃそうは言わないよ、ぼおういずらぶって言うの!」
みっちゃんが、きゃっと可愛い悲鳴をあげて目を輝かせた。
「ぼぃうずらぶ?」
「違う、ぼおういずらぶ、ボーイズラブ、略してBL」
「何だそれ…、何がどう違うんだよ」
「だいぶ、ソフトな言い方だよね。ていうか、愛にホモもカモも関係ないと思うんだよね、そういうの、偏見だし、あたしは別に、嫌いじゃないなぁ」
「ありがと、みっちゃん」
「どういたしまして、桃井君」