どうして、こう…、茶々を入れたがるんだか。


「わかった、桃井って呼ぶ」


「うん、そっちのほうが助かるよ…、えーっと、橘君だっけ?」



みっちゃんに耳を掴まれ、痛がる橘をおかしそうに見る桃井に、橘は、一瞬むっとした表情を見せた。


「橘新一…」


「じゃ、新ちゃんだ」


「何でだよ!気持ち悪ぃだろ!」



桃井の口の端が意地悪く上がっているのを見ると、完全に橘をからかっているらしい。

結構、いい根性してる。



「そっちの彼女さんは、みっちゃん、で?」


「うん、いいよ、あたしも桃井君って呼ぶね」



ふっくらとした頬を、ほんのりピンク色に染めたみっちゃん。

橘はそれが面白くない。


ぐいっと、みっちゃんの肩を掴んで、自分の胸に抱き寄せた。