『くれよぉッ!俺もキースについてくんだッ!!』
「「え…?」」
俺とハルカは同時に声をあげ、コンを見た。
『…は?俺も行くぞ!?』
当たり前だろう?と言わんばかりに首を傾げて見上げていた。
俺は勿論、
一人で行くつもりだった。
試される、
危険かもしれない。
そう…じぃさんは言っていた。
「駄目だ、俺一人でいい…。」
ゥワンッ!
『キース、自分がオオカミだったからって、俺をバカにしてるだろッ!俺は実は強いぞッ!?』
俺はふっ…と目を細め笑った。
「強い子なのは…知っている。俺がいない間、誰がハルカを守るんだ…?」
そう腕を下に伸ばし、頭を撫でた。
ウゥゥ~!
『イ~ヤ~だ~ッ!!つれてけよぉッ!』
コンは俺の膝に両手をかけた。
自分だってハルカを守るんだと、その強い瞳で俺に語りかけてくる。
両親は、コンの言葉は分からないながらも、俺たちの光景を見つめ内容を悟っているようだった。
困る、そう助けを求める俺の視線に気付き、セイジさんが何かを口にしようとした時、
思いもよらない新たな発言に、
その口は閉ざされた。