「俺は自分の殻に閉じこもり、昔を想ってばかりいた。すると、救えなかった仲間が…急に現れて、この世界に俺を導いたんだ。」
「…お友達が?キースをここに連れてきたの…?」
ハルカが、必死に理解しようとしていた。
「そうだ…。なぜなのか分からなかった。しかし、分かってきた…。その仲間が、与えてくれた使命なんじゃないかと…、俺は思った。」
「使命…?」
ハルカが首をひねる。
俺はそんなハルカを見つめて、ふっと目を細める。
「…自分達を救えなかった事を嘆いて苦しむのなら、自分達の代わりにハルカを救え、と。これが、そいつらが俺をこの世界に導いた理由…。」
優しいお前達の事だから、
そうだろう?
アズ…、アイリ……。
「…ハルカを救わなければ、俺はきっと怒られてしまう。だから、行かせてくれ、な…?」
いつの間にか、ハルカに語りかけていた事に気付き、言葉を付け足した。
「勿論、ハルカの幸せを願っている。しかし、ハルカの為だけではないんだ。自分の為でもある…。随分、自分勝手だが…分かってくれるか?」
今度は両親の方を向き、俺はそう言った。