「絶対にい〜や〜だ〜!!」

「コラ!絶対に行かなきゃダメ!! 婚約すれば歩奈の将来も安心…」


「ママなんか大嫌い!!婚約なんて早いよっ…! あたしが彼氏出来た時は『まだ早い』って言ってたクセに…!!」


「婚約はいいの!ほら、車乗って!」


川原 歩奈(カワハラ アユナ)

高校1年生で、15歳。

今、お母さんにムリヤリ婚約させられそうです…。


私、彼氏いるんだよ?


「恋なんて所詮“遊び”でしかないの。結婚なんて出来ないの。」


「なにそれ!?」


意味わかんない。


「はい、じゃあ行きますよ」


そう言って、行った先には……





「何これ!?」


ありえない程の女の集団がいた。


いかにもお金持ちそーな人や、ブリブリのフリフリのピンクのワンピース着た人や……


「婚約戦よ」


待ってましたとばかり、お母さんが口を開いた。


「婚約戦!?」


「そう…ココで一番になった女に、勝利のプリンセスとしてティアラが渡されるの。そして、婚約出来るのよ。」


何だソレ……


ま、どうせ私なんかすぐ落ちるだろう。


急にキィーンというマイクの音がした。

『え〜…本日は、皆様お集まりいただき、ありがとうございます。婚約戦は10分後に開催いたしますので、皆様ロビーの方にお集まりください。』


スゴく綺麗な女の人だった。

「ねぇ、あの人、誰?」


「ふふ…秋元さんのお母様よ」


「えぇ!?アレで母親?」

にしては、若すぎる。


「ほら、歩奈、行くわよ」

***ロビー***

「うわっ!!ココがロビー!?広っ!ゴージャス!」

「秋元さんの家は、相当のお金持ちなのよ」


だろうに……

にしても、ウチとは程遠い。

……?

急に周りが騒めき始めた。


「秋元さんよ!」


「え…あの人が……?」


そこに立っていたのは…