検査の結果は、一週間も経たないうちに出た。

ひろみは妊娠していたが、流産の危険があった為に入院させられていたらしい。

打ち水の撒かれた病院の玄関先には大きな鞄を持ったひろみの親とひろみがいた。

私はひろみに悟られぬよう、さりげなくお腹を見たが、ペタンコで本当に妊娠してるの?って感じだった。

それもそのはず。

まだ初期段階なのだから、いきなりお腹が大きくなるわけない。

「うちがママちゃんになるなんて信じられる?まだ出てないけど、お腹触って?」

「…うん――」

友達が親になるというのは、嬉しい反面、凄く複雑なことだと知った。

自分だけ取り残されて行くような…

あんたはまだまだ子供だねって突き付けられる感じ。

「やっぱさ、卓人との子供だよね?」

私は胸の高鳴りを抑え、なるたけ平静を装って訊いた。

「うまく育ってくれればそうなるね。卓人には大体話したんだけど、改めてちゃんと言うつもり」

ひろみはお腹を指差した。

今そこには確かに命が宿っているのだ。

やることが違うわと指の先を見つめたが、学校のことや卓人がこの先どうするのかが頭によぎった途端、不安な気分になった。