ひろみがトイレに行くと言うので、私は暇つぶしでもと思い廊下をウロウロしがてら、他の部屋チラチラと見ていた。
その時。
「…あだっっ!!」
誰かとぶつかって、にぶい音と共に尻からおもいっきりコケた。
「あ。大丈夫?」
尻、痛ぇ…
「大丈夫っす…」
「“っす”って…!!」
心配してるなら、手の一つでも出しと欲しいと思いながら、相手がどんな顔をしているのかと見上げる。
「は?貴じゃん。来るの早いね」
昼ごはんのお知らせ音と共に、貴も面会に来たらしい。
「授業、ヒマだったの?」
貴はちょっと考え、間をおいてから「部活の時間までには戻るさ」と手を差し出した。
貴はバスケ部で、いつもバスケットボールを持っているようなバスケ命って印象がある。
現に今も鞄からは、オレンジがくすんだような丸が少しだけ顔を出していた。
中学の時に一度、他校で試合があると耳にしたので、彼見たさに校門まで行ったのだが、そのまま中に入らず帰ったことがある。
なぜなら、一人で知らない校舎に入る勇気は湧かなかったからだ。
私達は病室に戻り、面会用の丸イスをギシッと唸らせて、ひろみが戻るのを待った。
その時。
「…あだっっ!!」
誰かとぶつかって、にぶい音と共に尻からおもいっきりコケた。
「あ。大丈夫?」
尻、痛ぇ…
「大丈夫っす…」
「“っす”って…!!」
心配してるなら、手の一つでも出しと欲しいと思いながら、相手がどんな顔をしているのかと見上げる。
「は?貴じゃん。来るの早いね」
昼ごはんのお知らせ音と共に、貴も面会に来たらしい。
「授業、ヒマだったの?」
貴はちょっと考え、間をおいてから「部活の時間までには戻るさ」と手を差し出した。
貴はバスケ部で、いつもバスケットボールを持っているようなバスケ命って印象がある。
現に今も鞄からは、オレンジがくすんだような丸が少しだけ顔を出していた。
中学の時に一度、他校で試合があると耳にしたので、彼見たさに校門まで行ったのだが、そのまま中に入らず帰ったことがある。
なぜなら、一人で知らない校舎に入る勇気は湧かなかったからだ。
私達は病室に戻り、面会用の丸イスをギシッと唸らせて、ひろみが戻るのを待った。