「ほんじゃあ〜…リンゴには突き放されちゃったってワケね?」


『そうなるね。』


「暇出来たってことで、あたしとテスト勉強でもする?」


『それ。教えてってこと?』


「まあ、そうなるね。」


口の端にシワを寄せて笑う果穂に、昔のようなハデさは無くなった。


受験生というレッテルを貼られ、それにうんざりしたのと、今までの自分に飽きたからなのだろう。分かりやすく言えば、イメチェンというやつだ。


『はぁ…、良いよ。勉強しよう。ただし、あたしの部屋でヘビスモになるのはヤメテ。臭い消すの大変だから』


「はいはぁ〜い★」


陸斗達はこの学校にもう居ない。


とっくの前に卒業してった。


連絡が無いとこを見ると、陸斗が卒業してまでお互い好きでは無くなったと言うことになった。


あたしの中で、勝手に。


『疲れたあ〜…』


「物分かり悪くてごめんなさいねぇ。てかあたしに煙草の煙かけんのやめてよぉ〜!」


『ごめーん』


最近、ごめん。って言葉良く使うようになって、その一言さえ言えば済まされるって思い始めた。


こんなときに手軽に使えるんだぞ!って。


「いい加減あたしも会ってみたい。リンゴに!」


『別にあたしは良いけど、得にはならないよ?忘れちゃうし?』


「酷い言い方ぁ〜!友達いっぱい作った方が楽しいじゃん♪」


『まぁね』


「そっけないのぉ〜」