明希はノートを広げてページを捲り出した。
『明希の覚えてる人になれば、楽しく話したり出来るかも…』
「なにそれ。別に。皆のことわかんないから、別に…」
ノートの1ページを破いた跡のある部分を、彼の指が行ったり来たりとなぞる。
『破いたの?』
「さあ?…昔の俺に聞いて?」
『無理だよ。昔の明希はもう居ないんだから』
ハッとした。
吐き捨てるように言った後に、しまった、と思った。
「そう、だよな……」
悲しい顔をさせる為に来てる訳じゃないのに。
あたしは彼を、励ませてはいないんだってのは分かってる。
ほんの少しも。
「宇宙で生まれた子供はさ、地球で暮らせると思う?」
白と黒がハッキリした明希の目。
美加に初めて会ったときと同じ感覚。
『宇宙で生まれたんなら宇宙人だよ。地球で何の為に暮らすの?』
何をわけのわからないことを言いだしたかと思うと、ノートを投げ付けられた。
それに驚いたあたしは反動で一歩後ろに下がる。
「明希!どうしたんだよ。お前何か変…」
「変なのはお前だろ。結衣のこと簡単に傷付けやがって!」
『明希の覚えてる人になれば、楽しく話したり出来るかも…』
「なにそれ。別に。皆のことわかんないから、別に…」
ノートの1ページを破いた跡のある部分を、彼の指が行ったり来たりとなぞる。
『破いたの?』
「さあ?…昔の俺に聞いて?」
『無理だよ。昔の明希はもう居ないんだから』
ハッとした。
吐き捨てるように言った後に、しまった、と思った。
「そう、だよな……」
悲しい顔をさせる為に来てる訳じゃないのに。
あたしは彼を、励ませてはいないんだってのは分かってる。
ほんの少しも。
「宇宙で生まれた子供はさ、地球で暮らせると思う?」
白と黒がハッキリした明希の目。
美加に初めて会ったときと同じ感覚。
『宇宙で生まれたんなら宇宙人だよ。地球で何の為に暮らすの?』
何をわけのわからないことを言いだしたかと思うと、ノートを投げ付けられた。
それに驚いたあたしは反動で一歩後ろに下がる。
「明希!どうしたんだよ。お前何か変…」
「変なのはお前だろ。結衣のこと簡単に傷付けやがって!」