そして、ドアがまた開いた。
「…神谷くん」
そこには、あたしが想いを伝えようとしてた人が立っていた。
「話って…?」
どうしよ…
けど、星野さんのは絶対渡さなくちゃだよね…
「あの…これ」
あたしは神谷くんに差し出した。
「これって…」
神谷くんはバレンタインのチョコだと気づいたようだった。
「その…A組の星野さんから」
「えっ…」
神谷くんは一瞬驚き、止まった。
「そっかぁ…星野からか!俺、てっきり桜井からかと思ったよ。ありがとな。じゃ。」
神谷は教室のドアを開け去っていった。
あたし、何やってるんだろ…
あたしのチョコ渡せてないよ。
やっぱり、こんなのやだよ。
あたしは教室を飛びだし、神谷くんの元へ走った。