すぐにその視線の先にいる人物を見ると、

そこにいたのは

愛理香ちゃん。

福山愛理香(ふくやまえりか)ちゃんがいた。

同じクラスで幼馴染の愛理香ちゃん。

亜悟くんの幼馴染でもある。

でも、私と亜悟くんは高校からのお知り合い。

事情があって、私は生まれたところから離れていたから、愛理香ちゃんと会えたときは嬉しかった。

私の話に曖昧に返事をする亜悟くんに

「亜悟くん」

「ん?」

ずっと愛理香ちゃんを見てる。

優しい目。

そんな目、付き合って最初のほうにしかしてくれなかったな。

「愛理香ちゃんがそんなに好き?」

耳元で小さい声で囁くと、亜悟くんが目を開いて私を見た。

どうしてって、目をしてる。