この前に愛理香ちゃんがここにいた。

同じ扱いは嫌だった。

「離して!!」

亜悟くんを突き飛ばして彼から離れた。

「あげは、どうしたら信じてくれる?」

信じられないよ。

だって、うそばっかりだった。

私がメールしても、全然返してくれなくて、

電話にも出てくれなくて、

デートの約束しても、当日にキャンセルになったり、

全部、愛理香ちゃんのところにいたって知ってるんだから。

「これ以上、君の何を信じろっていうのっ!」

ダンと拳を上げて、振り下ろした。

チョコの箱にめり込んだ拳を見たときはショックだった。

「あげは!落ち着けよ。これ、オレにくれるチョコだろ。もらって良いか?」

亜悟くんがチョコの箱に手を伸ばしてきた。

愛理香ちゃんのチョコもらったくせに