これには流石の雪花ちゃんもびっくりして、慌てて咲ちゃんのもとに寄りました。


「咲?どうして泣くの?」


雪花ちゃんは咲ちゃんの両肩に触れると、少し雪花ちゃんより背の低い咲ちゃんの顔を覗き込み、とても優しい声で聞きました。


すると咲ちゃんはぐずぐずと泣いて、しゃくりあげながら



「だっ、て…きよかの、一番の…とも、だちは、あたし…なのに、なのに…きよか、ぜんぜんかまってくれない…!」


と、最後の方は叫ぶように言ったのです。


あたしと男子との遊びどっちが大事なのよ〜と言いながら両手で顔を覆って更に泣き出してしまいました。




これには雪花ちゃんも困ったように微笑むと言いました。



「そっか咲、ごめんね。いつも咲は女の子たちと遊んで楽しそうにしてたし、あたしはあんまり女の子たちの遊びには向かないから…いつもあたしが男子と遊んでる時以外は一緒にいるし、咲にそんな寂しい思いさせてるなんて思わなかったんだ」



そんな雪花ちゃんの言葉に咲ちゃんはまだ両手で顔を隠して、しゃくりあげるばかりで何も言いません。



「考えが及ばなかったよ。本当にごめん。これからは咲があたしと遊びたい時はちゃんと付き合うから、だからもう泣かないで?」



この言葉にようやく少し顔を見せると、



「ほんと…?」



と、微かな声で不安そうに聞きました。



「当たり前だろ?ほら、涙拭いて」



優しく笑って自分のハンカチを渡す雪花ちゃんに、ようやく安心したように咲ちゃんから笑みが零れました。



「うん…!」