「変えたいんですか?未来。」


「…うん。」


私の質問に一呼吸置いたあと、
考え深そうに答えた。



「変えられるならば、ね。
でも怖いよ。」


「怖い?」


「もし歴史が最初からあるのなら、歴史の波には逆らえないのならば、どんなに足掻いても変えられない。


それは、怖いことだよ。」


そう言って、
ぎゅっと抱き締められた。




「君と出会って、そう思えたんだ。
君と出会えたこと…俺は…」









「…倉田さん?」


耳元から聞こえた寝息。
なんてタイミングで寝るんだろうこの人は。


でも今夜は、
ぐっすり眠れる気がする。