いつも勘違いさせるような、 そんなことばかり言って 私の答え、聞いてくれないじゃない。 一方的なんて、 そんなの…… 「…らないで…」 「え?」 「帰…らないで…」 振り絞るように出した声。 もう、笑って誤魔化さないで。 「帰らないで…」 さらにか細くなる声。 恥ずかしくて、消えちゃいたい。 ――なんて、冗談。 言おうとしたのに いつの間にか、 彼の胸のなかに スッポリと抱き締められていた。