「いやいやいや、今日はいつもに増して盛り上がったわ〜!」
店長は満足気に食器を洗う。
深夜2時30分現在。
私たちは店の片付けに追われていた。
でも、いつもと違う点が1つ。
「にしても、ほんとイケメンだな〜、君は。」
そう、倉田瑞季がいるということ。
店長が眩しげに彼を見つめる。
「なんて言ってもあの歌声は、半端ないな。な?栗田!」
突然話題をふられて
思わずグラスを落としそうになる。
「は、はい。ほんとに、感動しました。」
言いながらちらっと彼を見ると、
「ありがとう。」
倉田瑞季は丁寧に微笑んだ。