「えっと…なんだか、恥ずかしいですね。」
ギターを手にした倉田瑞季は、
本当に恥ずかしそうに笑う。
その様子を、
「可愛い〜」と女性たちは絶賛。
横で見つめる私は、
彼の頬が赤くなるのが
まるで自分のことのように感じ、体が熱くなった。
ほんと、可愛いな、この人。
「あっ…栗田さん、この曲わかる?」
すると倉田瑞季は、
私の耳元で、流行のJポップの
題名を言った。
「はい。知ってます。」
「じゃあ、ハモッてもらえますか?」
「私が?!」
「はい。お願いします。
……では、聞いてください。」
アコースティックギターの、アルペジオが綺麗に響き渡る。
彼の指先は、華麗に動き、
息をのむほど、
美しく奏でられた。