「なんか、やっぱりおかしいよ。具合でも悪いの?」


――確かに、悪い。


「いえ、大丈夫です。」


「嘘だ。いつもと違うよ。」


「そんなことありま…


「俺の、せい…?」


――え?


思わず腕をつかまれ、
顔を上げる。


彼の瞳が、揺れていた。
いや、違う。
私がそうだからかもしれない。


ぎゅっと強く握られ、
「痛っ…い」
思わず小さく声を上げてしまった。