そして、ジャンヌの映像が私達にも見えはじめ、通信は回復しつつあり、ミカエル先生はここぞとばかりに、ジャンヌに話し続けました。



『それより、どうだった?』


『どうだったって何がだよ?』


『何がって、そりゃ〜“僕の大天使の演技に決まってるじゃないか』


『いや〜自分で言うのもなんだけど、中々の出来でさぁ―』



“今はそんな事を話してる場合じゃ無い”


そう思った私は、そんな話しを続けるミカエル先生を押し退け、私もジャンヌに話し掛け始めました。



『ジャンヌ聞こえる』

『あぁ良く聞こえてるよ。カトリーヌ』


『ジャンヌ、さっき凄い物音がしたけど大丈夫?怪我とかしてない?』


『あぁ俺は健康そのものだよ』



そう言うと、今度はジャンヌがこう切り返して来ました。



『最初は、マジでビビったよ〜。』


『突然、ワームホールを潜ったら14世紀だもんな〜。』


『でも、なんで行けない筈の“過去”に来てんだ?俺?』


『確か、ミカエルの話しだと、“タイムマシンとかで時間移動出来るのは未来だけ”の筈じゃ無かったのか?』


『まぁ、良いか無事に帰れるんだし』



“無事に帰れる”


そのジャンヌの言葉を聞いたミカエル先生は、少しの間言葉を失って居ました。


『だって、来られない筈の過去に来ちまった俺を見付けて、通信が出来てるって事は、そっちとこっちが繋がってるって事だろう?』

『って事は、すぐにそっちに戻れるんだろう?』



続けてジャンヌが、そんな事を言ったって来たので、私は少し気まずそうな口調で、ジャンヌにこう言いました。



『そ、その事なんだけど…実は…』


『ん?…』



すると、そんな私を見兼ねたかの様に、今度は、ミカエル先生が話してくれました。



『続きは、僕が話すよ』

『あぁ。ミカエルか』


『単刀直入に言おう…今現在の状況だと、君はその時代から、帰って来れそうに無いんだ。』


『えなんでだよだって通信だって―』