すると、その通信相手の声は、全く聞こえなくなりました。



『ミ、ミカちゃん先生?…』


『どうしたの?』


『まさか、今の人にジャンヌを捜させたんですか?』

『なにを今更』



ミカエル先生はニッコリ笑いながら私に言いました。


『大丈夫だよ僕、分かっちゃったから』


『“分かっちゃった”って何がですか?』


『“歴史の秘密”がね』

『“歴史の秘密”?…』


そう言うと、ミカエル先生は、マルグリット先生にこう言いました。



『マルグリット先生は僕の言葉の意味がお分かりですよね』


『は、はい…しかし…“信じられません”…まさか、“神の声”の正体が、私達だったとは…』


『はい。僕も驚きましたよ。』


『しかし、これなら“全てのつじつま”が合うんですよ』


『今、僕達と会話した人こそ、正真正銘、“本物のジャンヌ・ダルク”だって事。』


『そして、僕達は彼女に自分の名前を名乗ってしまった。』


『しかし、その僕達の名前こそが、歴史上でジャンヌ・ダルクが聞いたとされる3人の天使達の名前…』


『“大天使ミカエル”』


『“天使カトリーヌ”』


『“天使マルグリット”』

『そして、僕達は、彼女にこれから起こるであろう“未来”を知っています。』

『そんな僕達は、彼女に“助言”を残さなければ為らないんですよ』


『“歴史通り”にね』


『ですから、マルグリット先生に一つお願いがあるんですけど。』


『あ、はい。私に出来る事であれば。』


『じゃあ、僕に、歴史の教科書か、参考書を貸して貰って良いですか?』


『ここから“大天使ミカエル”を作り出しますから』


『分かりました』