“大天使”…確かに、そのジャンヌらしき声の人はそう言ってました。


私達は、首を傾げながら、お互いの顔を見合わせながら不思議そうな顔をしていました。


そして、ミカエル先生は再び、そのジャンヌらしき声の人に尋ねました。



『ジャンヌちゃん?平気か?頭でも打ったのかい?』

『いいえ。私は今、お父様のお使いで隣町まで、行った帰りにこの森を通って居るだけですが。』


『ゴメン、ジャンヌちゃん…もう一度聞いて良いかい?』


『君の名前は?』


『はい。“ジャンヌ・ダルク”といいます。』


『や、ヤバイ…この子は“本物”のジャンヌダルクだ…』


『はい?…』



向こうから聞こえて来る返事の“はい”が何故か“疑問形”に聞こえた私。



(え?………“本物”?…)


この時の私には、ミカエル先生のこの言葉の意味が理解出来ずに、ただ首を傾げるしかありませんでした。

すると、ミカエル先生は、その通信相手をごまかすかの様に、通信相手にこう言いました。



『い、いや…何でも無い…』



そんなミカエル先生と通信相手とのやり取りを目の当たりにしていた私も、ようやく、こう通信相手が“私達の知るジャンヌでは無い”と言う事に気付きました。


しかし、そんな状況の私達の前で、ミカエル先生は私の予想外の言葉をその通信相手に言い始めました。



『そ、それより…その辺に君以外に女の子が居る筈なんだけど…君、その娘を捜してくれるかい?』


『はい大天使様のご指示とあらば何なりと』