俺がますます訳が分からずに居ると、今度はその女の子の方から質問をして来た。



『あの〜、ここら辺で“女の子”に会いませんでした?』


『女の子?』


『君の友達か何か?』


『いいえ。私も会った事は無いんですけど、さっき、空から、天使様からのお告げがありまして…』


『空からのお告げ?』


『えぇ。』


『空からってまさか…ミカエルって奴じゃない?』




『えぇ、大天使様のミカエル様ですそれに…カトリーヌ様とマルグリット様の声も聞こえて来て。』


(なんだ?…ミカエル達の野郎?…)


(あいつら、いつから“天使様”になったんだよ)


『そ、それで?その“大天使様からのお告げ”って?』


『はい。それが…“この近くに私以外の女の子が居る筈だから連れて来てくれ”と。』


『でも…見付けたのは貴方だけだし…』


『え?』


『この近くに“女の子”なんて一人も見付ける事が出来無くて…』



その女の子は今にも泣き出しそうな表情で、俺に言った。



『もし、もし時間があればで結構なんですが、貴方も一緒に捜してくれませんか?』


『でないと私…天使様になんて言ったら良いか。』



そんな事を言った女の子に俺は思った。



(ぜってぇこの子、俺の事を誤解してる…)



俺はまず、この子の誤解を解く事にした。



『あ、あのさぁ〜ジャンヌ?』


『はい?』


『君は、もうその女の子を捜す必要は無いよ』


『え?』



ジャンヌが、目を真ん丸にしながら言った。



『だ・か・ら。』


『君、誤解してる様だから言っておくけど…』


『俺、こんな喋り方と服装や髪型だけど…』


『俺は“男”じゃ無ぇよ』


『俺は“女”だ』


『え?…』


『えっ、えぇぇぇ〜』