―10分後―



倒れている俺の身体を揺すり、俺の事を起こそうとする女の子が、俺の前に現れた。



『あの〜、すみません…大丈夫ですか?』


『どうかなされたのですか?』


『うっっ…』



俺が、ゆっくり目を開けると、心配そうな表情の女の子が俺をじっと見つめていた。


そして、その女の子は、俺とウリフタツの顔をしていたが、服装はヒラヒラのスカートで、髪は、カトリーヌの様な綺麗なロングヘアーだった。


俺は、ゆっくり起き上がろうとしたが、身体のあっちこちが痛く、中々起き上がれずに居た。


すると、その女の子は、そっと俺の背中に手を添えて、俺を起き上がらせてくれた。



『大丈夫ですか?』


『盗賊さん達にでもやられたんですか?』


『いや、自分で転んだだけだよ』


『そんなに、心配しなくても…』


『って、痛ってて…』


『何処か、お怪我でもなさったんですか?』


『いや、これくらい俺の魔法化学ですぐに』


『“まほう…ががく”?』

(や、やべぇ、あんまり、やたらめったら言わない方が良さそうな気が…)



俺は、咄嗟にそう思い、すぐに、話しをはぐらかした。



『そういえば。君、名前は?』


『私は、“ジャンヌ・ダルク”と言います。』


『はぁ…』


『いえ、ですから、私の名前は、“ジャンヌ・ダルク”です。』


『えジャンヌ・ダルクって…』



俺は、その女の子の言葉の意味を、理解仕切れず、違う質問をした。



『え?君の名前がジャンヌダルク?…』


『はい。』


『ち、ちょっと待ってじゃあ、今って西暦何年』

『“せいれき”?』


『“せいれき”ってなんですか?』


『はい?』


『今は、“ユリウス暦”の1425年ですけど。』


『“ユリウス暦?”』


(えどう言う事だこりゃ?)