すると、ミカエルは二つのワームホールの内、一つを教室の天井に向かいほうり投げ、そのワームホールをリモコンの様な物で操作し始めた。


そして、その宙に浮いたワームホールは俺達の前から姿を消した。


さらに、ワームホールが消えたとほぼ同時に、ミカエルが言った。



『よ〜し明日の昼に繋がったぞ』


『みんな、ワームホールの入口を広げるから、少し離れて』



すると、教室の床に置かれたもう一つのワームホールが次第に大きく成りはじめ、気が付くと教室の扉くらいのサイズに成った。



『よ〜しじゃあみんな一列に並んで』


『あそうだジャンヌちゃんに話しが有るから、ジャンヌちゃん以外の人ね』


(何だよ?“話し”って…)


俺はそう思いながら、みんながワームホールに入って行くのを見届けた。


するとミカエルが俺の前までやって来た。


そして、こう言った。



『あ〜ごめんね、いや実はさぁジャンヌちゃんのお父さんのヴァン・ダルク教授の研究所に最近顔を出して無かったからさぁ』


『ヴァン教授の研究は最近どう?』


『はぁ?“そんだけかよ”』


『そんな事で一々呼ぶなっての』


『そんな事くらい俺の親父に直接聞けよ』


『ご、ごめん』


『そんな怒ん無くたって』


『別に怒って無ぇよ。』


『それより良いのかよ?クラスの奴らみんな行っちまったぜ?』


『マルグリットの野郎も一緒だろうけど、あいつらだけで行かせたらヤベエんじゃ無ぇの?』


『あ、そうだった俺が先に行かなきゃ生徒さん達、何して良いか分からないよね』



そう言うと、ミカエルはワームホールの中へと走って行った。



『んじゃ、俺も“明日”でも見に行くかな』



俺もミカエルの後を追うようにしてワームホールの中へと走って行った。






しかし…



未来(明日)に向かってワームホールに入った筈の俺が目にした光景は、俺の予想外の物だった…