俺がそう言うと、エドワードが少しにやけながら、こう返して来た。



『甘いなぁ〜ジャンヌは』


『ん?甘いって何が?』


『実は、この預言の西暦1999年に生きていたの人々は“実際に何も起きてない”からそう思い、安心したんだ“西暦1999年”ではね』


『“西暦1999年では”?』


『どういう事だよ、それ?』


『だってそのノストラダムスって預言者の預言は“西暦1999年”だったんだろ?』



すると、またもや自慢げにエドワードは預言について説明した。



『チッチッチ』


『分かって無ぇなぁ』


『良いか?そのノストラダムスがその“西暦1999年の預言だけ”でそこまで有名になった訳じゃ無いんだ』


『彼の預言は、それまでの歴史の出来事を数多く的中させたから有名にも成ったんだ』


『それに加えて、彼の預言のほとんどは“詩”の様な暗号に成ってた』


『そして、その暗号化された彼の預言の解読する学者達』


『そして、その暗号化された預言を解読する事で導き出されて来た“預言の数々”』


『彼の預言は一度足りともハズレた事は無かったと言う。』


『それなのに何故、西暦1999年の預言だけハズレたと思う?』



そのエドワードの問いに俺は答えた。



『なぁ?その解読って、ただの“こじつけ”だったんじゃ無ぇの?』


『同じ文でも、読み取り方によっては意味合いは変わって来るだろ?』


『第一、それが本当に預言だったのかも怪しいもんだ』


『仮に、本当に預言だったとしたら何故、一々“暗号化”なんてしたんだ?』


『ノストラダムスって奴が、みんなに“預言を残した”のは何故だ?』


『もし、そいつが本物の預言者で、自分の預言を世界中の人々に読んで貰って、自分が預言した未来に為らない為に書く預言書なら、“暗号化”する意味が分からない。』


『残念ながら、今のジャンヌの質問の答えは、相当昔に解かれてるんだよ』


『解かれてる?』