ミカエルは、そのままたんたんと相対性理論について話し続けた。



『今話した二つの理論の事をまとめて“相対性理論”又は“相対論”と呼ぶんだ』


『ちなみに、今話した二つの理論、両方共“アインシュタイン博士”が発表したんだ』


『本当なら、“特殊相対性理論”と“一般的相対性理論”の両方を詳しく説明したいけど。』


『僕が学校に来るのは滅多に無いし、全て話し出したらキリが無いし、時間が足りないので、今日は重要な要点だけ説明しよう』


『まず、相対性理論で最も重要な事は“相対的な速度で動く物体”は“時間が遅く進む”と言う事』


『もっと簡単に言うと、例えば“光の速度で進む乗り物”に人が乗って地球から飛び出したとして。』


『その乗り物が地球に帰って来る時にその乗り物の加速度を変化させると、“変化した側”の時間が“ゆっくり進む”と言う事』


『そして、タイムマシンに関する次に重要な物が“ワームホール”である』


『僕の研究の結果、相対性理論の“光の速度で走る乗り物”は作れなかったんだ。』


『しかし、僕は諦めなかった』


『次に思い付いたのは“ワームホールを使ったタイムマシン作り』


『まず、“ワームホール”って言うのは簡単に言うと“点A”から“点B”を結ぶトンネルの様な物』


『しかし“ただのトンネル”じゃないんだ』


『この“ワームホール”の結ぶ“点A”“点B”が、どんなに遠く離れた場所でも“一瞬”で行けてしまう物なんだ』


『もし、この“点A”と“点B”のワームホールの内、どちらかを“光の速度”で動かし、また元の位置に戻して、人がその“ワームホール”を通過したらどうなると思う?』


『そうそれこそが僕が考えたタイムマシンの原理なんだ』


『しかしながら、僕はこれを知ってもまたもや壁にぶち当たった、その壁とは、“光の速度を生み出す”と言う事』


『実際、僕の研究の中で最も苦労したのは“ここ”だった。』