すると、俺のすぐ近くに居たカトリーヌが俺に楽しそうな顔で話し掛けて来た。


『“ミカちゃん”だって〜面白いねあの教授。』

『しかも、見た目も悪くないし』


『そうか?』


『何なら、紹介してやろうか?あいつ、良くウチに来るし。』


『紹介え?本当?』


『まぁ、止めた方が良いとは思うけど?』


『私、博識が有って、面白い人って大好き』


『あ〜ミカエル様〜』

(駄目だこりゃ)


『取り敢えず、今からミカエル様に私の顔と名前を覚えて貰おう』



すると、カトリーヌが自分を椅子から立ち上がり、手を上げてこう言った。



『は〜い“ミカちゃん先生”に質問が有りま〜す』


(こう言う時のカトリーヌの行動力にはいつも驚かされる。)



すると、ミカエルがカトリーヌの顔を見てこう言った。



『お元気良いねぇ君、名前は?』


『はい私はジャンヌの幼なじみのカトリーヌと言いま〜す』


『ジャンヌ?…』


(ヤバッカトリーヌの奴、余計な事言いやがって)



俺は咄嗟に教科書で自分の顔を隠した。


すると…



『“ジャンヌ”って、あのジャンヌ・ダルクちゃんの事かい?』


『はい』



すると、教科書で顔を隠した俺に、ミカエルがこう言った。



『お〜ここのクラスだったのかぁジャンヌちゃんは』


『最近、君の家に行っても君が居なかった事が多いからねぇ』


(当たり前だろ?…“避けてた”んだから…)


『どうだ?まだ元気に剣術の稽古はやってるかなぁ?』


『ジャンヌちゃん』



そして、ついその言葉に反応してしまった俺。



『“ちゃん”って呼ぶな“ちゃん”って』


『あやっぱりジャンヌちゃんかぁ』


『言いじゃ無いか“女の子”なんだし』


『良か無ぇんだよ』


『俺は嫌いなのその“呼び方”されんのが』


『そ〜お?可愛くて良いと思うけどなぁ〜』