俺はもう少しそいつらの会話を聞くことにした。



『せっかく、国王様から報酬まで貰えるっていう話しが出て来たのによう。』


『なんとしてもあのガキ達を捕まえてシャルル様から報酬を頂かなくちゃな』

『皆、頑張ろぜこの村の為にも』


『おおぉぉぅ』



(何だよ村の為ってしかも国王からの報酬んな事聞いた事ねぇぞ)


(コイツは大変だ、もしその情報が正しいものなら多分他の村にも同じ命令が下されてる筈…)


(やばいハイドの奴も危ない)



そう思った俺はなりふり構ってられる状況ではなくなった。


“すぐにハイドと合流して作戦を考えよう”


俺はその事で頭がいっぱいだった。


俺は鞘に納めていた短剣を鞘から抜き、一心不乱で束になっている村人達の方へ走ってそこを突破しようとした。



『お〜ら退け退け退け〜』


『ロー様のお通りだぁ〜』


『おいローが姿を現したぞ』


『うぉぉぉ〜』


『う゛ぉぉぉ〜』



俺は剣を振り回しながら村人達の間をくぐり抜け、俺に鎌を向ける村人は全てその剣で捩じ伏せた。



『うぉぉぉ』


『相手はたかがガキ一匹だ皆怯むな』


『全員で一気に囲むんだ』


『容赦はするなやっちまえ』


『う゛ぉぉぉ』


“カキンカキンカキン”


“バキーン”


“カラン”


“ブシュ〜”


『うわぁぁ』


『鎌を折られた』


『俺も折られた』


『クッソこっちは足もやられた』


『悪魔だアイツは悪魔の子だ…』


『皆怯むな』


“ブシュ〜ッ”


『うぁぁぁ。』


“ブシュ〜”



俺は、鎌を持つ者にはその鎌の柄を剣で叩き折り。


俺を囲もうとする者には、その者の足を剣で切り付けて見る見る内に、村人達の勢いはおさまって行った。

そして、俺は全身に村人の血を浴びながらもその村から脱出する事に成功した。


(クッソ〜…ハイドがあぶねぇ…)


『ハイド〜〜』