エドワードの“この質問”には、俺も答えが見付からなかった。


もし、俺がこの時のジャンヌだとしたら、流石に男装はしたく無いし…


第一、そんな牢屋に入ってたら到底無理な事だ。


そんな俺が“この質問の答え”を知るのはそれから相当、後の事になる。



すると、またエドワードが話し掛けて来た。



『おいジャンヌ聞いてるか?…』


『おぉ、悪りぃ、悪りぃ』


『ってか、いつまで続くんだ?お前の質問は』


『ゴメン。じゃあこれで最後にしとくよ』


『ジャンヌ、お前って処女か?』



エドワードの突然の質問に俺は顔を真っ赤にしながら椅子から立ち上がり、机に両手を叩き付けながら怒鳴った。


“ガラン”…“ガタン”


“バン”


『テメェ何息なり“変な事”言いやがんだよ』


『ゴ、ゴメン…そんなに、怒るなよ〜。』



俺はつい剥きになり、エドワードの胸倉を掴んで、殴ろうとしていた。


すると、そんな俺を、俺の後ろの席のカトリーヌが止めに来た。



『ちょ、ちょっと〜。ジャンヌ息なりどうしたのよ〜』


『良いからカトリーヌには関係無ぇだろ』



俺は、俺を止めようとしたカトリーヌにそう言った。

すると…



『ジャンヌ…止めないと、私、“怒るわよ”…』』


そのカトリーヌの言葉を聞き、俺の背筋が凍り付いた。


普段“大人しい”カトリーヌだが…


カトリーヌの、この“怒るわよ”は恐怖の始まりを意味する言葉だったりする。

良くある話しだが“普段大人しい奴程、怒らせるとヤバイ”と言うやつだ。


俺の幼なじみのカトリーヌは、まさに“その言葉通り”の人物と言って良いだろう。


“どれ程凄いか”って


それは俺の口からは“怖過ぎて”言えない…


ただ…敢えて言うなら…。

俺は昔っからカトリーヌと喧嘩して“一度も勝った試しが無い”とだけ言っておこう。