『嘘を付かれると悲しい?…』


『だって…誰かが私に嘘を付いたとしたら、その人から見て、私は“真実を教えたくない人”もしくは、私が、“真実を教えられる程、信用されてない人”って事でしょ?』


『それって、どんな内容の嘘よりも、“嘘を付かれる”って事自体が悲しいと思わない?』


『だから、貴方も“もう”嘘は付かないでこれだけは約束して。お願い。』


『は、はい…』



俺は素直にイザベルの言葉に返事をした。


俺はこの時既に、イザベルに俺が付いた嘘を全て見透かされている気がした。


そして誓った。


イザベルとジャンヌに…いや、このダルク家の人だけには、決して嘘は付かないで行こうと。



こうして、初対面の話しも一段落して、俺とダルク家の人達は、ジャンヌの家へと向かって、村に戻って行った。