そして、その女性は俺にこう言ってきた。



『貴方、この辺じゃ見掛けない顔だけど、ジャンヌのお友達か何かかしら?それに…』



その女性は、何かを言いかけたまま、俺の格好を観察し始め、こう更に言った。


『それに、貴方のその格好、普通じゃ無いわよね?』


そう言われた俺は、自分の服装を改めて見た後に、他のジャンヌや、その女性の格好と比較した。



『………』


(確かに…“浮いてる”なぁ)



俺は、自分が学校の制服姿のままだった事など、気にも留めて居なかったが、人に指摘されて、改めて浮いてる事に気付いた。


そして、一瞬、静まり返る空気…



(どうすっかなぁ?)


(流石に、浮きまくりだなぁ…)



すると、そんな言葉にしがたい空気を切り裂くかの様に、ジャンヌが俺を見ていた女性にこう言った。



『あ、あのね実はこの子、森で私を助けてくれたの』


『森で?ジャンヌを?』


『ジャンヌ、森で何か有ったの?』


『実は、さっき森で盗賊達に絡まれて。それを助けてくれたの』


『それでねお母さん達にお願いがあって、実は…』

『へぇ〜“この子”がねぇ……』



すると、その女性は、今までのやり取りを、思い返しているかの様に、少し黙った。


そして、考えが纏まったらしく、女性はジャンヌにこう言った。



『ん〜……解ったわ善いわよ今更、家族が一人や二人増えようが、そんなに大した問題じゃ無いわ』

『ありがとうお母さん』


(え?)



俺は、訳が解らず、ついその女性に聞いてしまった。


『あ、あの…失礼ですが、“何が解った”んですか?』


『え?“何が”って、貴方をウチに、泊めようって事ですよね』


『我が家は、ジャンヌ以外にも、子供が三人も居るから、そこに貴方一人位増えても、何の問題も無いわよ家族が多いから少々うるさいかも知れないけど、貴方さえ善ければウチは大歓迎よ』


『あ、あの…泊めて貰えるのは有り難いんですが、“何でそんな事が解ったんですか?』