ジャンヌは家中を捜し、家の中に誰も居ない事を悟り、再び村の中を走った。



『ジャンヌ今度は何処に行くんだ』


『え何処って教会よ』

『教会』


『そうここの村の人達はみんな日曜日の決まった時間に教会に集まる様になってるの』


『へぇ〜。ならさぁ、何で最初っからジャンヌも教会に行かなかったんだ』


『教会に居るって解ってたんなら、最初っから教会に行けば善かったじゃん?』

『それを言わないで』


『ちょっと期待しちゃったのよ“誰か待っててくれてるかなぁ?”って…』


『あぁ〜なるほど』


(さてはジャンヌの奴、よく遅刻するんだなぁ)


『あ〜、どうしよう?…“次、遅刻したら夜ご飯抜き”って言われてたのに〜。』


(夜ご飯抜きかぁ…そりゃ厳しいな…)


『あそうだ盗賊に襲われてたから遅刻したって言おうかしら』


『それと、“ミカエル様のお言葉”も追加して…そしたらお父さん達も許してくれるかも知れないわ』

(う〜ん…“全部本当”だけど“全部嘘”に聞こえるなぁ。)


『あ、あのさぁ?ジャンヌ。』


『何?』


『盗賊達の事はさておき、ミカエルの声の事は、あまり口外しない方が善いと思うぜ?』


『何で?』


『“何で”って…』


『だって本当の事じゃない?』


『そりゃそうなんだけど…』


『解ったわそこまでジャンヌが言うなら、ミカエル様の声に付いては、皆には内緒にしておくわ』


『お〜サンキュー』