そう言うと、ジャンヌが、俺に首飾りを手渡した。



『はいこれジャンヌのでしょ?』


『さっきジャンヌと森で別れた後、拾ったの。』


『おぉありがとう。』


『でも何で、この首飾りが俺のだって解ったんだ?』

『う〜ん…良くは解らないんだけど、拾った途端、ジャンヌの居る方目掛けて青く光だしたの』


『だからきっとジャンヌのかなぁって。』


『それで、一度戻ってこの首飾りをジャンヌに届けようと思ってジャンヌの方に戻ったの。』


『そしたら盗賊達に襲われて。』


『ふ〜ん…この首飾りがねぇ。』


『まぁ、取り敢えず、ありがとうそれと、宜しくね』


『えじゃあ』


『あぁ。どうせ行く宛ても無いし、戻れるまで、ジャンヌの家に厄介になろうかな』


『勿論人探しも手伝わせて貰うよ』


『うん。』



俺はジャンヌから渡された首飾りを自分の首に着けよとした。



“ジャラジャラ”



『ジャンヌ、私が着けてあげるよ』



首飾りを着けるのに苦労していた俺を見兼ねたのか、ジャンヌがそう言いながら、俺に首飾りを着けてくれた。



『はい出来上がり』


『おぉありがとうな』

“ゴーーン…ゴーーン”


“ゴーーン…ゴーーン”



俺とジャンヌの会話を割って入るかの様に、突如鳴り響く鐘の音。


その音を聞いたジャンヌは慌てた様子でこう言った。


『あもうこんな時間急がなきゃジャンヌも一緒に来て』


『うん。』



そう言って、俺とジャンヌは森から急いで出る事にした。



この時の俺は知らなかった…この鐘の音が全ての始まりを知らせる鐘の音だという事を…


そして俺は知らなかった…これから俺に、どれ程の悲しみや苦しみが待ち受けて居るのかも…