俺は目覚め、起き上がり、座ったまま辺りを見回した。



『ジャンヌ大丈夫』



俺の横には、14世紀のジャンヌが心配そうな表情で俺を見ていた。



『ジャンヌ?本当に平気?』


『ああ、平気だよゴメン、心配掛けて。』


『ううん。それよりありがとうね盗賊から守ってくれて。』


『いや、別に大した事はしてないよほとんどアイツが―』


『“アイツ”?…』


『ん』


『あローローの奴何処行った』


『ロー?…ジャンヌ、ローって―』


『あぁ、盗賊からジャンヌや俺を救ってくれたのはローって奴なんだ』


『えローってまさか…あのローさんじゃ無いわよね?』


『さぁ?ジャンヌが言ってる“あのロー”って人なのかは解らないけど、俺達を救ってくれたのは盗賊達からは、“鞘抜かずのロー”って呼ばれてたよ。』


『“鞘抜かず”ってまさかあの有名なローさん』

『えそんなに有名な奴なのか』


『有名も何も…多分“あの人が居なかったら、歴史は変わってたかも”って言われる位の方よ』


『“アイツがいないと歴史が変わる”?』


(可笑しいなぁ?そんなに有名なら、せめて名前位は、歴史の教科書とかに出て来ても可笑しく無いのに…)


(歴史上の人物でそんな名前の剣豪なんて居たかなぁ?…)


(“真実は先に有る”っか)


(通信も途切れたし、ミカエルにはここでじっとしてろって言われたけど、やっぱ動かなきゃ始まらないっしょ)


『一丁行くとしますか』

『行くってジャンヌ、何処に行くの?』


『う〜ん…何処に行こう?』


『え?行く宛てが無いなら、ウチに来ない?』


『え?』


『事情は良く解らないけど、多分、帰りたくても帰れないって感じの顔してるし』


『なんなら、帰れる目処が立つまでウチに居れば』

『寝所と、食事位なら用意出来るし』


『そんな、そこまでして貰っちゃ悪いよ。』


『いいえむしろ来てもらわないと困ります』


『へ何で』